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タイのマナー・冠婚葬祭

どの国にもその国独自のマナー・エチケットがあります。多少は「外国人だか
ら…」と大目に見てもらえますが、逆にきちんと振舞えば好感度アップです。

タイの挨拶


タイの日常的な挨拶は「ワイ」と呼ばれる合掌の形です。日本でいうお辞儀にあたります。礼儀としては目下の者が顔の高さで合掌し「サワディークラップ(男性)」「サワディーカ(女性)」と挨拶します。

タイのタブー


タイでは人間の頭には神が宿ると考えられています。そのため、家族であっても頭にさわることはほとんどないほどです。日本の習慣からいうと、かわいらしい子どもを見かけるとつい頭をなでてしまいたくなりますが、たとえ子どもであっても、軽々しく頭を触られることを嫌いますし、親がいたら文句を言われても仕方がありません。
逆に足は不浄とされています。足で物を指したり、ドアを開ける、テーブルの上に足を載せたりすることは絶対タブーです。
手は左手が不浄の手とされています。いただきものをする際は必ず右手を使って下さい。特に名刺交換の際、タイ人は片手で出す人が多く、これは日本人からすると無作法に思えるのですが、これがタイ人からしての礼儀にのっとった方法です。逆に両手で渡すことは不浄の手を添えているわけですから失礼にあたるのです。

タイ人の心にある輪廻転生


タイ人といっても十人十色ですが、ほとんどの人は敬虔な仏教徒です。また目上の人には敬意を、子どもには愛情を、そして体の不自由な人に対しては援助を惜しみません。
タイでもっともよく行なわれる風習は「タンブン」でしょう。タンブンとは「喜捨」「寄進」「功徳」「善行」「徳を積む」などといろいろな言葉に訳されていますが、たしかに複数の意味を含んだ奥深い言葉なのです。
これはタイ人の95%が信仰するといわれる上座部仏教(テーラワーダ仏教)に由来していて、多くのタイ人は輪廻転生を信じています。上座部仏教の教えでは、タンブンをすればするほど来世ではより恵まれた者に生まれ変われると信じられています。
まず一般的なタンブンにはお寺や僧侶に食べ物を渡すタンブンがあります。タイでは仏の道に仕える僧侶をたいへん大切にします。この場合のタンブンは施しではなく、僧侶に喜捨させていただくことです。ですから渡す人もひざまずいてお辞儀をしながら渡します。
最大のタンブンである“出家”をしている僧侶に食べ物を渡すこともひとつのタンブンになるのです。


タイ人は国王陛下と王室をとても尊敬し、また誇りに思っています。国王陛下は国民の「お父様」であり、王妃陛下は「お母様」です。どこの家庭、職場にも、また街中の至る所にも国王陛下の肖像が飾られており、その敬愛ぶりは、外国人からみてもうらやましいほどです。
タイの王室は日本の皇室とも古くから親交が深く、2006年に行なわれた国王陛下御即位60年祝賀行事には、天皇皇后両陛下がタイをご来訪されて、祝賀の意を表され、多くのタイ国民の歓迎を受けました。
天皇陛下は、皇太子でいらした1964年に初めてタイを公式訪問され、プミポン国王陛下に50匹のテラピアを寄贈されました。国王陛下はそのテラピアを増殖され、タイ全土に配布されたのです。このテラピアは、現在ではプラー・ニンと呼ばれ、タイでは最も一般的な食用淡水魚になっています。

儀式としてのタンブン


タイでは結婚式や葬儀などではなく、新築や改築、あるいは何らかの祈りごとがある場合にさかんにこのタンブンが行なわれます。
こうした場合は家やオフィスに9人の僧侶を招き、無病息災や家庭の無事、会社の発展を願ってお経を上げてもらい、その後にタンブンの食事をしてもらいます。日本でも法事や上棟式(神事)のように、何らかの節目にこうした儀式を行なうことはありますが、タイのタンブンはもっと頻繁に、日常的に行なわれます。このタンブンに招かれたら、ぜひ積極的に参加してみて下さい。ちなみに100~200Bていどのお布施を包むことも必要です。

寺院へ行くときの注意


王宮や寺院を訪れる際には服装にも注意が必要です。タンクトップや半ズボンなどの肌の露出が多い服装、またサンダルなどでは入ることができません。特に有名ではない、ごく普通の寺院であってもこうした服装については注意する必要があります。
特に女性は僧侶に気軽に話しかけたり、体に触れたりしてはいけません。BTSや地下鉄・バスやボートなどでも近くに行かないような配慮が必要です。タイの僧侶は厳しい戒律を守った生活をしており、女性との接触は、たとえそれが偶発的なものであろうとそれまでの修行が台なしになってしまうとされています。うかつに近寄らないようにすることも敬意のひとつです。
またむやみにカメラを向けて写真を撮ったりすることもタブーです。


タイには至る所にプーム(祠)が設けられていて、タイ人は必ずその前を通る際に小さく合掌をします。毎朝熱心に祈りを捧げる人も多く、タイ人の信心深さを感じさせる光景です。なかでももっとも有名なのが、ラマ1世通りとラチャダムリ通りの交差点にあるエラワン・プーム(BTSチットロム駅徒歩2分)です。特に恋愛・宝くじの願いごとが叶うと評判が高く、土日ともなるとお供えの花であふれかえるほどです。

 

タイの冠婚葬祭事情


結婚式の日取りは新婦の親が僧侶に占ってもらって決めます。最近の若い世代、特にバンコクなどの都市出身者はあまり気にしないといわれていますが、一般的には偶数月が好まれます。ただし8月は偶数ですが雨安居の始まりの月となるため、代わりに9月の挙式が縁起のよい月とされています。9はタイのあらゆる場面で縁起のいい数字といわれていますが、これはタイ語の9(ガーオ)の発音が「上昇」するという意味の掛け言葉になっているからです。最近ではホテルで披露宴を行なう人も増えているようですが、一般的にはどちらかの実家で祝宴が行なわれます。もし招待されたら積極的に参加しましょう。服装はスーツなど、襟のついたものであれば特に制限はありませんが、黒い服はタブー。ご祝儀は相手との関係や年齢・地位によってケースバイケースですが、部下など年下の人の結婚式に出席する場合は1,000~2,000Bていどでしょう。この場合も奇数は避けて、1,200B、1,400Bなどの偶数の金額を選びます。


タイのお通夜は一晩ではなく、3日、5日、7日など奇数日にわたって営まれます。社会的地位のある人の場合は1ヵ月におよぶ場合さえあるほどです。高温多湿のタイでは遺体の腐敗が早いため、遺体には防腐剤をほどこし、また最近では冷却装置がついた棺もあるそうです。各日で列席する顔ぶれが変わるため、自分がどの日に行くべきかをあらかじめ確認しておくことが必要です。また一般的にタイ人はお墓を作らないため、遺骨はお寺に預けたり、散骨したりとさまざまです。ただし中国系のタイ人やクリスチャンなど別の信仰を持つタイ人は墓を持つことがあり、少ないながらも墓苑・霊園もあります。