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タイの道路事情

タイの交通ルールは日本とまったくといっていいほど異なっています。タイの交通事情をよく把握するまでは、自動車の運転は避けたほうがいいでしょう。

日本人に運転は無理?


タイにやって来てすぐにハンドルを握るという人はそういないでしょう。運転する気でいたとしても、バンコクの街中の様子を目のあたりすれば、それまで普通に日本で運転していた人であっても、ためらうのではないでしょうか。駐在員として赴任された方は運転そのものを禁止されている人のほうが多いと思います。

バンコクという街自体は、日本人にとって世界有数の住みやすい街だといわれていますが、その逆に交通マナーでいえば日本人が運転するにはもっとも不向きな街なのかもしれません。


事故死者は日本の2.5倍!


タイの交通事故死者数は人口10万人あたり15人前後と、人口比で日本のおよそ2.5倍。やはり危険が多いと言わざるをえないでしょう。

もちろんタイ警察も積極的に交通事故撲滅運動を行なっていて、2003年に14,012人に上った交通事故死者は年々減少傾向にありますが、それでも2010年の死者は8,800人とまだまだ高い水準です(日本は4,863人)。

一般的にタイでは物損事故の場合は警察に通報する義務がありませんし、かなりのケガを負っていても示談で済ませる傾向にあります。

さすがに死亡事故ともなると警察も把握していますが、死者がいない事故の実数はいったいどれほどになるかはわからないほどです。


タイの運転マナー


もちろん長年無事故でハンドルを握っているという日本人も少なくはありません。しかし日本で優良ドライバーであったとしても、バンコクで優良ドライバーになれるとは限りません。それだけ運転のマナー、道路の造りが日本とは違うのです。

まず最も危険なのはやはりオートバイ(モーターサイ)。一方通行の多いバンコクには4車線、5車線の広い道路が少なくありませんが、朝夕のラッシュ時には我先にと車線変更を繰り返す車が多くいます。さらにそのすき間を縫うように、オートバイがかなりの速度で駆け抜けていきます。

車間距離や左方優先などのルールはまったくといっていいほどなく、間一髪という場面もあちこちで見られます。自分がマナーを守って安全運転していても、こうしたマナー無視の運転者に巻き込まれることが多いのです。


タイの交通事情あれこれ


無理な割り込みをする車、オートバイが多いので、車線変更・左折・Uターン時は、ウインカーを出す、目視するといった自衛がもっとも重要です。しかしそれでも突っ込んでくるオートバイも少なくありません。

時間帯によって一方通行の方向が変わったり、駐車可になったり駐車禁止になったりします。見えづらいところにタイ語の表示が出ているので、タイ語が読めない場合はよく知らない道路への路上駐車はやめましょう。

また、事故や事故寸前の危険な運転をした車に対してクラクションを鳴らすこともやめましょう。こうした行為に仕返しをされるケースも決して少なくないのです。相手はそもそも飲酒運転だったり、何らかの薬物を使用していることもあります。中には護身用の銃を携行している者もいます。

都心部では渋滞時に警察官が手信号で交通整理を行ないますが、それがかえって渋滞の原因となっていることも少なくありません。こうした場合は落ち着いて通過できるのを待つのみで、イライラするのは厳禁です。

雨季になり、雨が降ると渋滞は一気に激しくなります。特に冠水するような地域ではまったく身動きが取れなくなります。これは自分が運転していなくても巻き込まれがちなので、日頃よく通る道の渋滞する時間帯、雨の際の道路状況は事前に確認しておきましょう。

このような交通事情のなかで、もし事故が起きたときの言葉の問題をはじめ、多くのことを考慮して運転しなければなりません。

それでも移動に車が必要な場合は自分で運転するのではなく、タイ人運転手を雇うことも選択肢のひとつです。確認しておきましょう。


タイの駐車場の常識


デパートなどの屋内駐車場は、ほぼ日本と同じ利用法でいいのですが、屋外の駐車場の場合、必ず守らなくてはいけないルールがあります。

それは“サイドブレーキを引かないこと”です。というのも、やって来る車はいくらでも詰めてしまうため、先に駐車していた車が出ようとしても当然そのままでは出られません。そういった事態を避けるために、必ず手前に停める車はギアをニュートラルにしておくのがルールなのです。すると、係員が手で押して移動させ、スペースを空けてくれるのです。

たしかに合理的といえば合理的なのでしょうが、なかなか日本人には理解できない感覚です。都心のサイアムスクエアなどでは、こうした車さばきの名人芸を見せてくれるベテラン係員も少なくありません。


歩行者にも危険がいっぱい


バンコクの街は、もちろん歩行者にとっても危険がいっぱいです。タイに初めてやってきて、しばらくは道路を渡れなかったという人も多いのではないでしょうか。

実際にバンコクには一部の主要交差点をのぞいて、ほとんどといっていいほど歩行者用信号がありません。そして歩行者優先という意識も薄いといえるでしょう。目の前の横断歩道を歩いている人がいたとしても、一時停止する車は少なく、徐行してくれればマナーがいいほうでしょう。かなりの渋滞であっても同じで、まるで自動車が優先という印象を受けます。

実際には大きな通りの横断歩道では、歩行者がいる場合には徐行または一時停止しない場合には罰金と定められているのですが、そういった取り締まりも、また一時停止してくれる車もあまり見かけることはありません。

バンコクの生活に慣れるに従って、かなり近くに車が来ていても渡ってしまえるようになるかもしれませんが、これも日本では危険行為に過ぎません。郷に入りては郷に従えといいますが、本当に慣れるまでは回り道をして歩道橋や信号のある交差点を利用したほうがいいでしょう。



タイならではの標識


かつてはバンコクのいたるところで象の姿が見かけられたものですが、これは野生の象ではなく、象使いによる物乞いのためのものでした。2009年にバンコク都内での象の連れ歩きが禁止されて以降、象の姿を見かけることはなくなりましたが、地方へ行くと、象はまだ交通手段であったり、木材を運搬する労働力です。さらに一部にはまだ野生の象もいて「象に注意」という標識がまだあちこちに残っています。


スピードバンプにご用心


日本にも車の速度を落とさせるために、道路を凸型に舗装したバンプはありますが、私有地で行なわれることが多く、都心の公道で見かけることはあまりありません。しかしバンコクにはいたるところに設けてあり、ドライバーはその都度確実にスピードを落とさなくてはいけません。しかし減速しない人も多く、タクシーの後部座席に乗っていた人が、バンプを通過した衝撃で天井に頭をぶつけた、ということも少なくありません。